ギャラリーについて
神二ストリートギャラリーは、壁も扉も開館時間もない現代アートのギャラリーです。舞台は、地元で「神二」と呼ばれる神宮前二丁目。42基の街灯に備え付けられた小さなショーケースが展示室です。入場無料、屋外、そしてほぼ24時間ご覧いただけます。
マニフェスト
歩行者は、純粋に機能的な目的のために街を歩く。ふだんは視線を足もとに落とし、車や周囲に気を配るばかりだ。けれども、ふと顔を上げ、建物のファサードを見上げる瞬間がある。一歩ごとに我を忘れ、もうひとつの世界を見いだす。いつもの道でさえ、突然、謎と冒険に満ちあふれる。まさにその瞬間、都市を歩く者はフラヌールとなり、都市の構造を支配する合理性と機能性の原理を解きほぐすことができるようになる。フラヌールは街路を、目的地にたどり着くための手段としてではなく、歩く喜びと発見の場として捉え直す。こうして都市は、障害物から意味のある目的そのもの——経験に満ちた場所——へと姿を変える。フラヌールは都市の芸術家であり、行き交う人々や、街路の細部と空気をじっと見つめる探偵である。探しているのは犯人ではなく、生の痕跡、心を動かし、あるいは和ませてくれる情景——誰かに語り、胸にとどめておきたい出来事だ。その手がかりは、ひとときを魅惑に変えること以外、何の役にも立たない。
歩いて楽しむギャラリー
渋谷はいつも人であふれています。人々はせわしなく道を渡り、目的地へと急ぎます。街は激しい勢いで踏みしめられ、駅前の交差点の赤信号は、いつまでも青に変わらないかのよう。せっかちな人にとって、時間はいくらあっても足りません。
Jinnyがあるのは、そんな喧騒からほんの少し離れた神二の真ん中。通りのあちこちに、小さなショーケースが点在しています。Jinnyは、目的地よりも歩くことそのものを楽しむ散歩好きのための場所。街のあらゆる形と色を、時間をかけて愛するアーバン・フラヌールのための場所です。どこかへ向かうのではなく、ただ歩いて展示を楽しみたいすべての人を迎えます。
街灯から街灯へと展覧会をたどっても、どこかへ向かう途中でひとつのケースに出会っても構いません。ポールの黄色い旗とマーカーが道しるべです。
はじまり
渋谷区はこの界隈の街灯にショーケースを備え付けましたが、その多くは空のままでした。Toto TvalavadzeとLorenzo Menghiは、それぞれの散歩の途中でこのケースに気づき、何を飾れるだろうと考えていました。同じ問いを抱いていることを知った共通の友人が、やがてふたりを引き合わせます。
2022年の春、Totoは自身のストリート写真59点を42基すべての街灯に展示した『Walk With Me』で、この試みを始めました。そして2023年1月15日、最初の展覧会『Tokyo Flâneur』とともに、ギャラリーは正式にオープンしました。
街とともに
Jinnyは、この街の協力があってこそ成り立っています。ここに暮らす人々やお店、神宮前二丁目商店会と沢辺 均さん、そして各展覧会を支えてくださるパートナーの皆さんと一緒に活動しています。
展覧会のほかにも、アーティストの公募、ワークショップ、Creators’ Club、アーティストと歩くウォーク、Jinny Lemon Sourなど、活動の幅は広がっています。開催中の展示は展覧会のページからどうぞ。
創設者

渋谷を拠点に活動するイタリア出身の写真家。作品を通して昭和の美学を追い求め、主に夜の街を撮影している。


神宮前二丁目商店会の会長。ポット出版代表。